[アドミッタンス分光法による細胞膜の透過特性および熱雑音評価] tech./dosim.

Assessment of conduction properties and thermal noise in cell membranes by admittance spectroscopy

掲載誌: Bioelectromagnetics 1992; Suppl 1: 87-100

<目的> アドミッタンス分光法(決定法)を用いて、細胞膜の透過特性の巨視的な評価を行うこと。 <方法・結果> 基本となる細胞膜における複素アドミッタンスの表現式は、Hodgkin Huxleyの方程式より導かれる。例えば、イカの巨大神経を用いた場合のデータから、曲線適合を行うことにより、複素アドミッタンスの値が得られる。この値から、緩和時間、カリウムイオン透過率など全てのパラメータを得ることができる。さらに、イオンチャンネルの動的なパラメータである透過比定数も得ることができる。一方、細胞膜における熱雑音(Jonhson-Nyquist 雑音)の強度・周波数分布を知ることは、線形透過システムの物理的理解のために重要であるにも拘らず、チャンネルの透過率 の揺らぎのため、実測は難しい。しかし、このアドミッタンス決定法は、これらのパラメータ(熱雑音のパワースペクトラム)を算出することにも有効であることが分かった。

ばく露