<目的>電磁界による生体影響に関して、生体内の誘導電流密度の大きさが一つの目安であることが知られているが、本論文では2種類の電気毛布の電磁界による子供モデル内部の誘導電流密度を数値解析し、それを提供している。また電界と磁界による誘導電流密度の比較を行う。<方法>インピーダンス法を用いて、電気毛布に覆われた8才の子供を模擬した簡単な生体モデルを想定し、電磁界によるそのモデル内の誘導電流密度を数値解析する。電気毛布は従来のものと熱効率を上げたもの(PTC)を使用する。<結果>電磁界源として2種類の電気毛布を使用しているが、熱効率を上げた毛布(PTC)の方は熱線を二本撚りにし、さらに電流の流れる方向が逆にした構造となっている。従って、平均磁界強度は、PTCの毛布では0.218μTに対して従来の毛布では3.27μTという結果になった。磁界によるモデル内の誘導電流密度は磁界強度に反映した結果になった。すなわちPTCの毛布と従来の毛布による誘導電流密度はそれぞれ0.139μA/㎡と5.83μA/㎡であった。またモデルの頭部と胸部における電流密度においては、胸部における電流密度が頭部のそれよりも大きい結果となった。これは胸部と電気毛布がほぼ密着しているからと考えられる。一方、それぞれの電気毛布の電界による平均誘導電流密度は、ほぼ同じ大きさであった。わずかにPTCの電気毛布による電流密度が大きい結果になった。全体の結果として、PTCの電気毛布の電磁界による全平均誘導電流密度は、従来の毛布の場合の約3分の1であった。
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