研究のタイプ: レビュー/サーベイ論文

[総説:RFエネルギー吸収に対する体温調節反応] review

Thermoregulatory responses to RF energy absorption

掲載誌: Bioelectromagnetics 2003; 24: S17-S38

この総説は、体温調節機能の基礎の解説と無線周波RF)およびマイクロ波電磁界の存在下でのヒトおよび実験動物の生理的学的な体温調節反応に関する現在の文献のレビューからなる。多くの研究は動物で行われているが、動物は、ヒトに比べ簡単なモデルであるので、その研究結果をヒトへ外挿するには注意が必要である。重要視した課題は、温熱知覚、RF過剰ばく露、MRI撮影中のばく露、シミュレーションモデルに基づく予測、ヒトボランティアでの実験研究である。動物実験で得られた補足用のデータは、温度調節プロファイル、反応閾値、熱産生と熱損失の生理的反応、高レベルばく露や長期ばく露、初期発生や日周変動への影響、薬物投与とマイクロ波の相互作用などである。結論として、現行の人体ばく露ガイドライン値あるいはそれを上回る値のRFばく露に対して、ヒトには実験した動物よりもはるかに高度な体温調節能力があることが実証された、と述べている。