[ダイポールによる900MHzばく露における小児および成人の同心球頭部モデルでのピークSARレベルの比較] tech./dosim.

Comparisons of peak SAR levels in concentric sphere head models of children and adults for irradiation by a dipole at 900 MHz

掲載誌: Phys Med Biol 2003; 48 (20): 3263-3275

この研究は、携帯電話からの高周波放射ばく露による成人と子供の脳内のピーク比吸収率SAR)の差異の大きさと重大性を調べた。3層(頭皮、頭骨、脳)から成る球状頭部モデルが近接した0.4λダイポールからの900MHzにばく露する条件について、マルチポール解析法で推定値を得た。耳、頭皮、頭骨の厚みは、どの年齢群内でも個人差は非常に大きいが、平均的には年齢の減少と共に薄くなることが分かっている。このようなパラメータのSARへの影響を検討した。その結果、脳10g平均SARのピーク値の平均は、平均成人に比べ、4、8、12、16歳で、それぞれ1.31、1.23、1.15、1.07倍高かった、と報告している。以前の研究より現実的な今回のモデル計算で示された子供頭部のSARの上昇は比較的小さな規模であり、Stewart Report以来、論じられてきた子供の携帯電話使用に対する特別なプレコーショナリ措置について、今回の結果はその必要性を示していない、と著者は述べている。その理由として、 (a)CENELEC(2001)基準にあるように、SARの試験プロトコルでは、脳内で許容される局所SAR限度値を超過しないことを確保するため、追加的な安全マージンを与えている、(b) 子供の携帯電話使用者での脳の温度上昇のワーストケース最大値(平均的4歳児で~0.13から0.14℃)は、安全レベルおよび正常な生理学的パラメータの範囲内に完全にある、 (c)子供の年齢によるSARの平均的増分は、一般成人で予測される変動の幅より小さい、と述べている。

ばく露